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OKR

OKRとはなにか

「目的(Objective)に主な結果指標(Key Result)をつける」の頭文字。

インテル社のアンディ・グローブ元CEOがMBOを実践する手法として始めた。

共通の目標(Objective)

「何」を達成すべきなのかを具体的に示したもの。

重要なのは「測定できなくてもよい」ということである。真に重要なことは定量化できない。定量化しようとすると視界が狭くなってしまい方向づけを誤る。

「達成できるとワクワクすること」を設定するとよい。

「何を」達成すべきか

  • 組織の使命と結びついている
  • 人々を鼓舞して
  • 行動を促す
  • もっとも重要なこと

主要な結果指標(Key Result)

Key ResultはOKR最大の特徴である。

共通の目標(O)を「どのように」達成するのか、時間軸(期日)をはっきりさせた、測定可能な、モニタリングの基準。それが主要な結果指標(KR)である。かならず期日に測定できるものでなければならない。

タスクではなく成果を決める(「~をする」ではなく「起きた変化」)。

「どのように」達成するか

  • 時間軸をはっきりとさせた
  • 測定可能で
  • 検証可能な
  • モニタリングの基準

OKRの狙い

OKRを実践すると、4つの効果が期待できると言われている。

集中(Focus)

やらないことを決め、やると決めたことに集中し、全力でコミットする。

効果を上げるためには

  • もっとも重要な目標に絞り込む
  • 3〜5個に絞る
    • メルカリでは、1〜3個で実施している
  • 決めた目標に全力でコミットする
  • 主要な結果も絞り込む
  • 1目標につき3〜5個に絞る
    • メルカリでは、1〜3個で実施している
  • 多すぎると散漫になり進捗管理できなくなる
  • 目標のサイクルは短く
  • 3ヶ月が最適

協働(Alignment)

Alignmentとは「同じ目的に向かい協働するために、すり合わせる」という意味である。

OKRではCEO以下全員の目標を公開することで、自律的な協働を狙う。

一方、トップダウンによる協働には限界がある。適度に行えば縦連携に効果的であるが、すべてがトップダウンだと弊害が起きる。

  • 機敏性の欠如
  • 柔軟性の欠如
  • 最前線の軽視
  • 横連携の不足

追跡(Tracking)

Trackingとは「目標の進捗や結果を都度把握して活用する」という意味である。

追跡するためには、簡単に目標の進捗や結果を更新することができて、全員の状況を可視化してくれる環境が必要である。その上で、期中には軌道修正を行い、期末には次のサイクルに向けて振り返りを行う。

簡単に更新できて、進捗が可視化された環境を用意する。

期中の対応

  • そのまま「継続」する
  • 一部を修正して「更新」する
  • 新しい目標を「開始」する
  • 目標や主要な結果を「停止」する

期末の対応

  • 客観的な採点
  • うまくいった点、うまくいかなかった点、チームとして改善すべき点などを、客観的に特定する
  • 自己評価
  • 客観的な採点に、本人の主観的な判断をして補強して上司が介入して再評価を手伝う。
  • 振り返り
  • 達成した目標の成功要因
  • 未達成の目標の障害

挑戦(Stretch)

限界に挑戦して、失敗を許容することで、一人ひとりの創造性を最大限に引き出す。

ストレッチ目標

インテル社では「すべてを到達することはありえない水準」に目標を設定する。「すべてに青(達成のマークのこと)がついたら、OKRは失敗だ」と評価される。達成率は70%が目安。

アンディ・グローブは「エドウィン・ロックの目標設定理論」に着目した。

  • 目標が困難であるほど、パフォーマンスのレベルが高まる
  • 具体的かつ困難な目標を設定することは、作業への関心を高め、活動の楽しい面を発見することにも役立つ

コミットする目標

グーグル社には、ストレッチ目標とコミットする目標がある。

コミットする目標は、組織として期限内に必ず達成すると決めた目標のこと。100%の達成が期待されて、達成しない場合にはその原因を究明する。

OKRと人事制度の正しい関係

OKRと人事評価は切り離すべき。なぜなら、人事評価年度末に過去を振り返るためのものだが、OKRはリーダーとメンバーのあいだで継続的に未来にむけて話し合うもののため。

OKRの結果は、人事評価の参考として利用される。最終的な評価の割合としては1/3程度である。